【料理】包まない薄パリ餃子

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家族全員が一緒に住んでいて子ども達も食べ盛りだった最盛期、餃子を包むのはちょっとしたイベントだった。100個近くを一人で包むのはもう嫌だ…ということで、餡を作ったらそのボウルと皮の束、張り付け用の水の小鉢をダイニングテーブルに託す。

「働かざるもの食うべからず」な空気の中、もくもくと包む家族たち。もっと子どもが小さい頃は100円均一で売っていた「餃子包みマシン」みたいなもので、遊びの延長感を演出していた時もあったな。今考えるといろいろと涙ぐましい。

様々バラエティに富んだ餃子が市販されていても、私は相変わらず自分が作った餃子が一番美味しいと密かに思っている。それは全ての材料を自分で選べるからに他ならないのだが。

何度か書いているように、肉の脂身が苦手なので肉を使うなら出来るだけ赤身を使いたい。また、下地にちょっとしっかり目に味がついていて、タレは酢が多めのさっぱり目が好きだとか。日によって野菜の分量も変えたいし…など。

また、餃子で何が好きって皮がパリパリに焼けている部分。どちらかというと中身は少なくてもいいから焼き目部分が多いもの。包み手が減った我が家では包む手間も少ない方がいいに決まっている。手作りであればいかようにも変えられる。

そんな中YouTubeで見かけた方法を改良した「包まない薄パリ餃子」は、革命的だと思っている。餡を用意し始めてから焼き上がりまでのスピード感と言ったら!その上「きちんと包まなければいけない」という呪縛からも解き放たれ、出来上がりの見た目もまあまあ、焼き目部分が普通の餃子よりも多くてパリパリ。中身が薄いから焼き上がりの時間も短縮できる。

最低限の材料はキャペツと豚ひき肉。私はニラをそこに必ず入れ、ひき肉の半分は大豆ミートのミンチタイプを使う。(まったく違和感なし)

キャベツは丸ごと電子レンジで3〜4分加熱して端から千切りにして絞る。または、あらみじん切りにしたものに塩を振ってしばらく置いてから水を絞っておく。他の野菜を入れる場合も微塵切りにして混ぜておく。

ひき肉を加えて、紹興酒(もしくは日本酒)を振り、醤油と少しのごま油で調味。粘りが出るまで手でこねる。私は醤油の代わりに醤油麹を使う。麹と生醤油、昆布をジップロックの中に入れて放置するだけのものだが、さまざまな用途に使えて圧倒的な自然の旨みが加わるのでおすすめの調味料。

餡ができたら、皮の半分くらいに塗る感覚で乗せていく。

そして、ぱたっとふたつに折る。隙間が開いていても無問題。(肉汁重視の場合はジューシーな肉を使い、ぴったりとくっつける)

これを少し多めに油を敷いた、まだ火をつけていないフライパンに真ん中からウロコ状に並べていく。私は焼き目が多い方がいいので接着面を大きめに取るように並べているけれども、その辺りはお好みで。

全部並べ終わったらフライパンに火を付ける。ふつふつと油が沸騰したら水を適当に入れて蓋を閉める。水がもうすぐ無くなるよ、と言うあたりで蓋を取り、ここからはいい感じの焼き目がつくように注意しながらフライパンを振ったり、たまにフライ返しで接着面をチラ見しながら焼き上げる。焼くのは片面のみでOK。

そのまま食べても美味しいが、ぺたんこなので上にたくさん香味野菜などのトッピングを載せると良い。おすすめは青ネギの小口切りやナッツ、茗荷、紫蘇、しらがねぎなど。

そして好きなつけだれで食べる。お酢にラー油と白胡椒を振り入れただけの白いタレもさっぱりしていてうちでは人気。

どうどう?もうビールが飲みたくなったでしょう?小さい子もお手伝いが出来るし、一人暮らしの方も、材料ちょこっとづつで餡を作ってパタパタ包み、皮一袋くらいは食べられちゃうと思う。