牡蠣が好きすぎて

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「9月中に夏休み取らないと無くなっちゃうんだー」と娘が言うので、前々から行きたいと言っていた地を訪ねることにした。北海道の道東、昆布森そして仙鳳趾。

目白でいつも行っていた和食屋さんで食べた牡蠣の味が忘れられない。

厚岸までの道に点在する漁港で獲れるものは、場所が近いのに味も形も違うらしい。それをその場で食べて確かめてみたい、とのこと。

普段、ほとんどのことはどっちでも良いと言う感じの娘だが、美味しいものに関しては急に熱い情熱を示す。

釧路からレンタカーを走らせ、鹿が飛び出してくる山道を通りながら、目的の場所に辿り着いた。

午前中、誰もいなくてしんとした昆布森の漁港。ちらっと見えた人影を追いかけて、丁寧に挨拶をして話を聞いた。

小さい湾の周りを歩き、あの、素晴らしい海産物を私たちの元に届けてくれる小さな船を眺めた。とても感慨深い。

言葉の通り、透き通った海の中には昆布がわしゃわしゃと茂っている。こんな所で育った牡蠣は、美味しいに決まってるよね。

その後、すぐ側の崖から転げ落ちてしまいそうなヘアピンカーブを走りながら、仙鳳趾オシャマップの直売所へ行った。娘があらかじめ調べていた場所。そこでは水揚げされたばかりの牡蠣が大きな水槽にたくさん入っていて、大きさを選んだらその場で開けてくれる。海水で洗ったままの実を食べることが出来るのだ。

一番大きいのは、あんまり勧めないよ…と女将さんが言う。開けてくれたおすすめは一つ130円の中くらいの牡蠣で、貝にびっしりとピンポンの玉の様なプリッとした実が詰まっていた。

その直売所の扱いの中では中くらいなのに、見たことも無いくらい大きい。そして、味は…これは海から来たものなのか?と思うほどクリーミーで滋味に溢れてる。バケツに詰まっている一つ50円の牡蠣だって、信じられないほどたっぷりしていた。

むき身を自宅に送ってもらうようにお願いし、きっかけをくださったお店の大将にも大きさを取り混ぜた牡蠣を送った。味の違いや、身のつき方の違いを楽しんでもらえたら幸い。

産地をこの目で見ることは、本当にいいなと思った。一気に距離が縮まり、とても納得できる。新しい楽しみができた。産地に行くためだけの旅行に、ちょっとハマってしまいそうだ。