大雨に打たれた

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「昨日今日と、坂ノ下がゴールドコーストみたいなんだよ!」と友人から連絡が来た。オーストラリアに行ったことがないので、実際問題どういう意味なのかは分からなかったけど、とりあえず買ったばかりのボディーボードとフィン等をのっけて、自転車で坂ノ下に行った。

「こっち来たら中古でもいいからボディーボードを買いなよ」と言ったのも彼女。私は25年くらい前に、遊びでちょっとやったことがあるくらいの超初心者。こちらに来てからは凪いだ日がつづいて、ボードもつかんで浮くだけ・・・ただの大きいビート板と化していた。

実際、海があるエリアに住んでみたら、サーファーの人たちの生活の中には、本当に波乗りが存在しているんだなあ・・・と思った。いい波が立ったら、店に張り紙をして一時閉めて乗りに行くのも当たり前だとか。結構年配の方もたくさんいる。肌の色はたぶん、一年中黒いんだろう。

水着の上にばさっとワンピースを被ったままで、どこにでも行く。家に着くとすぐにボードとフィン以外のものは置いて、そのまま海に歩いていった。

台風が近づく中、まともに波が立っている海に入った気がした。テイクオフするタイミングを毎回教えてもらうも、なかなか思うように乗れず、千本ノックのように波に巻かれた。

何回か、数メートルくらい乗れたかな。いや、乗ったつもりが波は先に進んでしまって全く乗れない・・・ってことが何十回も続いたとき、急に強い雨が降ってきた。

何人かのサーファーは陸へ戻る。でもほとんどの人は雨に打たれて、まだ波を待ってる。お父さんに英才教育されているミニサーファーの男子が、すっごい雨!!とキャーキャーしてる。

うっわー。こんな強い雨に打たれるのなんていつぶりだろう?だいたい私は本当は雨が好きで、特に自転車に乗っている時に急な大雨とかが降ってきても、急ぐどころかずぶ濡れになるまで打たれたい方。でも、都会では大雨が降ってきたら、大変だ、大変だって感じで、家にすぐ戻らなくてはならない。目の前で大笑いしてる男子の気持ち、よくわかるよ。大人だけどこんな風に、堂々と大雨に打たれたかった。

いろんなものが、どんどん流れ落ちていくようで、波よりボードより、実のところそれが一番楽しかったのだ。水の揺らぎの中に結構長い間いたことや、大雨に打たれたこともあって昨日はまたしても早く寝てしまった。

アウトドアスポーツをする人にとっては当たり前の事だろうが、自然の中でどうにもならない自分を感じるって、とてもいいものだ。大きな存在に対しての畏怖の念にさらされて、肉体と心の距離が合ってくる。

最近、移住を考えている方からの質問をたびたび受ける。もし引っ越したいな、場所を変えたい・・・と思ったら、いろんな意味で早い方がいいと思う。海に入りながら、山を歩きながら、身体に問題なく毎日を享受できることに今、とても感謝してるから。