天国への手紙
あなたの訃報に接し現実味がなく、一人になるとただただ悲しくて涙が溢れます。いつもブログを書くと、いいね!くれたり、メッセージくれたりしていたから、読んでくれていると信じて最後の手紙を書きます。
去年のちょうど今頃、コロナ禍ではあるものの急に「海に足をつけたい!」と、うちまであそびに来てくれました。その時の少女のような可愛いあなたの写真を投稿させてください。
あなたとの出会いは、まだ2人とも20代の頃に、池袋西武で行われた展示をたまたま見たのがきっかけでした。嵐の日で、私は重装備のレインコートに長靴のまま。初めて会ったのに、昔からの友達みたいに気が合って、長らく立ち話をした。「最初に会った時の、景花ちゃんの格好と言ったらさ〜」と、何回笑っただろうね。あの頃はお金もなかったんだけれど、どうしてもあなたの作品が欲しくて、天使の羽のついたリングを買いました。シルバーと14金のコンビのもの。
その後結婚指輪や、祖母の指輪のリメイク、ブレスレットなど作って頂きました。日本が誇る最高峰の技術を駆使したあなたの作品は、繊細で唯一無二。一生の宝です。
この深い紫の石には、私の好きなミツバチと、あなたに色々な奇跡を呼んだ五鈷をクロスのようにデザインしてくれた。そして裏側には繊細な金色の太陽をつけてくれて「景花ちゃんが具合悪かった時、あなたには太陽が足りなかった。だからこれで大丈夫だよ。」と言ってくれましたね。
あなたは、若い頃から「願うと不思議と叶う」という話をしていたり、感謝の念をちゃんと言葉や文字に表していて、いわゆる引き寄せのような現象をたくさん起こしていました。こんなに目に見えない世界のことをいろんな人が発信する前のこと。現に、ありとあらゆるジャンルのお友達にたくさんのメッセージを残したと思う。あなたの「愛」は、その皆に受け継がれて、これからも生き続けるのでしょう。
思い出はたくさんありすぎるからとても書けないけれど、現世で一緒に過ごした時間、おしゃべりに夢中になった時間、美味しいものを食べたこと、ちょっと人には言えない話をこそこそしたこと…全部楽しくて素敵な時間でした。氷見から色々プレゼントを詰め込んで送ったらとても喜んで食べてくれて、お返しなんて良かったのに今度はあなたの好きなものを詰め込んだ箱を送ってくれた。ほんとに、ついこの前のこと。
あなたは長い闘病生活の終盤、もう体力も気力も普通の人なら尽き果てると思う状態なのに、最後の最後まで創作に向かっていましたね。「まだオーダーくれている人がいるの。不思議と作っている時は痛みを感じないんだ」と言っていた。そして、いま、願いを叶えるとしたら?っていう話になった時に「世界中の美しいものを見て回りたい」って言ってた。
私もそのうちそちらに行くから、続きはまたね。こっちでのお土産話を持っていけるように、私ももうちょっと色々経験してくるね。
寂しいです。本当にありがとう。素敵な友達に巡り会えて幸せでした。
そして最期まで「どのように人は生きていくのか?」という、素晴らしいひとつの生き様を見せてくれたような気がします。