【料理】鶏そぼろの三色丼

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鶏そぼろに卵そぼろ、それに緑のものが加わった丼は、大抵「わー」っと歓迎される。

かく言う私も、中学校時代の好きなお弁当上位にランキングしていたかもしれぬ。母のお弁当は繊細とは程遠いが、何だか勢いのあるものだった。

嫁いだ先が、職人の家だったこともあるだろう。父のお弁当は大きなアルミの箱。それにびっしり敷き詰められた三色そぼろ。肉感を増強した感じで、割合的には3:1:1くらいだったと思う。そして、たまに私のそぼろは斜めに配置されたりしていて、女子の美意識(?)に何となく答えてくれようとしていた痕跡があった。

三色そぼろまでは良かったのだが、お弁当の隙間にイナゴの佃煮を入れてくれた時には困った。イナゴなどは見たことも食べたこともない同級生が「ぎゃあああ!虫が入っている!」と叫んだ。

下町育ちの私が、気にせずもぐもぐ食べながら「おいし〜んだよ〜」と呑気にイナゴの旨さを説いても無駄だった。「ぎゃあああ!口から足が出てるよ!」と失神寸前。今でもお弁当、と言えばその光景が思い浮かぶ。

大人になってから、そぼろを作るのは結構難しいなと思った。せっかちな性格ゆえ弱火でじっくり炒めると言うのが出来ない。

そこで導入したのは、箸を5本使って混ぜる方法。何なら2組・4本でもいいのだがそうすると「4(死)は数が悪い」と、天国から祖母が囁く。

でも、5本使うと何だか上手く出来るのだ。おばあちゃんの教えもまんざら悪くはないなと思う。

鶏ひき肉が生の状態で、酒、みりん、出汁少し、醤油で軽く味をつける。箸で混ぜながら火を入れていく。塊になりすぎるようだったら、火力が強すぎるので弱めて。

水分があらかた飛んだら、追加で味をつける。最初に使った調味料の追加の他にすりおろし生姜、塩麹、醤油麹なども美味しい。味を見ながらさらに水分を飛ばして出来上がり。

卵のそぼろも同様に、味をつけてから火を入れる。鶏そぼろと合わせるから、薄味でもいいことにしている。酒、みりん、醤油少しづつ。同じく5本の箸で混ぜながらそぼろ状に仕上げていく。

緑部分は季節の野菜なんでも良い。うちの定番は塩茹でしたいんげん。野菜部分は歯ごたえを残すと、丼ものにした時に食感の変化が味わえて、美味しさが二割り増しとなる。