「愛は生きているうちに 生きながらブルースに葬られないように」
LOVE IT WHILE YOU LIVE
Never Buried Alive In The Blues
と書かれた時計を眺めながら、メッセンジャーに残っているメッセージを読む。
「・・・あの言葉は自分の墓石に彫ってもらおうかというくらい好きな好きな言葉で 『愛は生きているうちに 生きながらブルースに葬られないように』 と解釈しています。つい忘れがちな大事なこと笑」
直接話していた時も柔らかい笑顔で同じことを言っていた。改めて書くくらいだから、そして「好きな」が2回繰り返されているくらいだから余計に気持ちが伝わってきた。その方の、突然の訃報。
素敵なデザインは世の中にたくさんあるけれど、私はその人の作るものが結局一番好きで、艶っぽくて粋な作品を見るたびに、いつか余裕のある予算を持って何かを依頼したいと思っていた。
最後に会った時には、 Mustang Sallyが誰の曲だっけと二人ともすぐには思い出せず、でもど忘れしたからスマホで調べるなんて野暮なこともせずに、あれだっけこれだっけ?あー思い出せない〜なんて言いながら別れ、そうだ!ウィルソン・ピケット!と電車の中からメッセージを出して笑った。
「いつかなんて無い」と重々わかっているけれど、悲しくてやりきれない。
まだまだ聞きたいこと、話したいことがたくさんあった。
音楽に精通し、小粋な楽曲を愛してDJとしても活躍されていたから、今度のイベントは先に逝った素敵な方々と。そして私もいつかまた、「そうきたかー!」って唸るようなかっこいい選曲で踊りたい。
時計の真ん中には、1本のラインのようにもう一つの言葉が刻まれている。
MATCHLESS LIFETIME
残された時間は、いよいよ本当に少ない。自分が先か、周りの好きな人たちが先なのか。
これから幾多の別れがやってくる年代に差し掛かったということ。