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服の型紙を見て盛り上がるのは世界共通

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私は布を見るのと同じくらい、服や小物の型紙を見るのが大好きである。
実際作るとなると、簡単な決まった形のしかあまり作らないんだけどね。

日暮里が何より好きで引っ越したくないくらいだったが、いざ越してみるとここにはスワニーという聖地があった。一般の小売店だし日暮里とは違う品揃えではあるものの、この店があることで足りなくなった糸や素材もちょっと買うことができるし、何より常時設置されている売り切りのハギレのワゴンを見るのが楽しい。スワニーが上手だなあと思うのは、1000円以上の購入につき一枚デザインの図面をくれること。ワンピースや簡単なコートから、さまざまな形のバッグ、犬の服に至るまで何千ものデザインが用意されている。LINE会員に登録すると、たまに10枚引き換えられるチケットが送信されてくる。そんなにもらってどうすんの?と人は思うだろう。

型紙マニアにとって、それは「使って作る」というよりも「夢を広げる」ものである。実際は作らないものでも「あ〜◯◯ちゃんの赤ちゃんにこれは似合いそう」とか「お母さんはあまり首があいたプルオーバーはやだと言ってたからこれならいいかな」とか。そしてそこに、目の前に積まれている色とりどりの布たちを同時に眺める。ニットから上質な麻素材、高価なインポートもののプリントまで。あれをこの型紙で作ったら素敵かなぁとか、私は身長が低いから丈はこのくらいにして・・・とか。型紙のデザインが収められた厚いファイルは「ブック」と呼ばれ、テーブルと椅子とともに店内の片隅に設置されている。いくらでもここで時間を費やせてしまう!

そして、スワニーには私と似たタイプのマダムたちがたくさんいる。たびたび行われている20%セールの時には、皆のはやる気持ちが店の外にも溢れてくるような。そう、地元で長く愛されるこのお店は買い物に来た人が気軽に休めるように、店の外とビルの屋上にイギリス風味のお庭を作ってベンチなども置いてくれているのだ。ワゴンを眺めていると「いつも、好きなものを選ぶと同じような色になちゃうのよ!少しは私も綺麗な色を着なくちゃ。」とつぶやいてにっこり笑いかけてくれる方など。

ちなみに日暮里中が布セールになる日も、同じようにわくわくマダムたちが繊維街を往来している。

私は特に縫い物を習ったこともないので本屋で売っている型紙集や、実物大用紙に印刷されたパターンを使って自分の服を縫うことを覚えた。簡単なものから始めたら、やってみたい人は自力で挑戦できる素材が揃ってる。日本でもネットで立体裁断の型紙が発売されるようになって自分のデザインで参入するパタンナーの方も増えてきたし、コロナ禍のお篭り需要でミシンも相当売れて縫い物をする人も多くなってきたみたい。

PDFで出力して張り合わせるタイプのデータパターンは、スケールさえ合っていれば海外のものでも大丈夫。…なのでアメリカ、ニュージーランド、フランスなどから型紙を購入したことがあるけれども、ダーツの入れ方の角度や開きの処理、ちょっとしたデザインの加減からお国柄が出て面白いものである。

最近知ってこれから挑戦するのはスウェーデンの型紙。初めてのスカンジナビアデザイン。そこはネット販売が上手でインスタのストーリーズやFacebookのユーザーグループをうまく使ってワールドワイドにソーイングクラスタを束ねている。

作例もたくさんで、体型も細身からプラスサイズの方まで色々写真が載っている。着用画像を見ると後ろの景色が森だったり、おうちの中のインテリアが個性的だったりして、とっても楽しい。同じ型紙から作られても、こんなに違うのか〜とかね。

昨日は、その店から新作が発表されたのだが、コメントつけているみんなのワクワク感と言ったら!「これは一番好きな形になりそう」「私はこんな風にアレンジしたいわ」「あなたの試作はゴージャスね」…と、日暮里の繊維街セールを訪れる人たち、スワニーの全品20%オフセールで買い込んでお庭のベンチでおしゃべりしているマダムたちと同じ!おばちゃんっていいわぁ…

さあ、わたしも隙間の時間に型紙を貼り合わせて切っていくとするか。型紙から服を作っていくのはプラモデルのようなものだとあるパターンナーさんが言っていた。プラモ少年たちが1個1個パーツを切り出すように、部品を揃えていくのは楽しい作業である。